分譲物件

物件の良し悪しを見る目

建売住宅のチェックポイント

建売住宅と呼ばれる物件には、次のふた通りがあります。

  1. 建物が完成している物件
  2. 建物が未完成の物件

一般的に、建物が完成物件を建売住宅と考えがちですが、建築確認申請と呼ばれる、各市区町村や第三者機関による建築許可を受けていれば、土地だけの状態でも、あるいは建物が建築途中の状態でも、建売住宅として販売されます。 建物が完成している場合は、実物は確認できるけれど建築途中の工事状況がわからない、建物が未完成の場合は、建築途中の工事状況から確認できるけれど完成したイメージを最初につかみにくい、といずれもメリット・デメリットがあります。

どちらの場合も重要になるのは、建物の設計図などの書類。まずは、これら書類がきちんと整っているかがポイントになります。

建物に必要な書類はそろっているか

実際に建築工事を行うためには、設計図が必要です。
設計図といってもたくさんの種類がありますが、最低でも以下のような図面がそろっているかどうかを確認しましょう。この設計図は、購入者はもちろん、将来的なメンテナンスやリフォームの際にも非常に重要となります。

東西南北立面図 東西南北の外観図
短径図(かなばかりず) 建物の断面を表す図面
面積表 土地や建物面積計算表
基礎伏図 基礎の形状や金物の位置を表す図面
仕上げ表や仕様書 どんな材料を使用するかをまとめた物
電気設備図 コンセットや照明器具、スイッチの位置等を表す図面
各種設備図 水道の引込みや給水場所を表す図面
建築確認申請書  

これらの書類がそろっていることを確認できたら、実際の建物と図面を照らし合わせて確認していきましょう。

設計図どおりに建物ができているか

構造的にもしっかりとした建物を造るためには、設計図どおりに建物ができている必要があります。設計図と実際の建物に違いがあるときには、その理由をきちんと確認しておきましょう。

建物の配置が図面と違っていたり、本来使われるはずの「通し柱」や「筋交い」が予定の位置にはいっていない場合、基本的な構造部分に問題があるかもしれません。また構造上は問題がないとしても、設計図面と異なる場合は現況どおりに図面を書き直してもらう必要があります。ドアの開き勝手や照明、コンセントなどの位置といった基本的な部分についても設計図との相違がないか、しっかり確認しておきましょう。細かい部分はつい見落としがちですが、実際に生活しはじめたら不便を感じてしまうもの。忘れずに確認しておきましょう。

さくら事務所では毎月多くの依頼を受けて、建物を確認していますが、現場でよくある図面との相違点をあげておきましょう。

  • 建物の配置が違う
  • 窓の位置、大きさが違う
  • 天井の高さが違う
  • 柱の位置、大きさが違う
  • 扉の位置、開閉方向が違う
  • スイッチ、コンセントの位置が違うなど

部屋の広さや使い勝手を確認

建物が完成している物件の場合、実際に自分がそこに家具を置いて生活しているイメージを描きながら、各部屋をみていきましょう。日当たりや風通し、各部屋の広さ、廊下や階段の幅は十分か、近くにあると便利な水周りの位置や窓の大きさ、収納場所は十分確保されているかなどを確認していきます。

ここで注意してみておきたい点は、実際の手持ち家具などが部屋に入るか、置けるスペースは十分か、家具を置いたときコンセントやスイッチが隠れてしまうことがないかなど。実際に寸法を確認しながらみるのがポイントです。

建物が未完成の物件の場合、設計図をもとに部屋の広さや使い勝手を確認。平面的な広さだけではなく、立体的な高さの確認も大切です。

また建物が完成している場合は、以下のことも確認してみましょう。

視界に気になるものはないか

窓をあけてみて、視界の妨げになるようなものがないかを確認。

窓先の電柱や電線などは、地上から見上げたときには気づかないこともあります。窓先で気にならないか、眺望や日照に影響がないか、電柱に設置されている街路灯などが2階の寝室の窓先にきて、夜になると明かりが気になって仕方ないなんてことも。注意しておきましょう。

基本的な構造はしっかりしているか

床下点検口や床下収納がある場合、実際に開けてみて床下を確認。基礎にひび割れなどがないか、水漏れは起きていないかを確認しながら、あわせてゴミなどは落ちていないか(物件の隠れたところにゴミを放置するような業者は、見えないところに大きな手抜きをしている可能性があります)、シロアリなどがいないかも見ておきましょう。 浴室の天井点検口や小屋裏点検口からは、断熱材の状態、柱や金物などの構造部分の状況をしっかり確認。柱はしっかり金物で止められているか、緩みはないか、湿気はないか、よく確認しておきましょう。

建物の構造部分を確認するには、点検口から確認する方法しかありません。将来メンテナンスをするときも、この点検口がないと屋根裏や床下のメンテナンスが出来なくなってしまいます。建物が未完成の場合は、点検口の位置を設計図から必ず確認しておきましょう。建物が完成している場合も、また未完成の場合でも、建物の基本構造や仕様については先にあげた設計図にある「仕様書」または「仕上表」で確認できます。


「仕様書」または「仕上表」から詳細を確認

仕様書とは、構造や内外の仕上げ材から、キッチンや浴室などの設備機器にいたるまで、建物に使われるすべての建材がまとめて書かれている書類を言います。

構造に関する部分 構造仕様から、基礎の立ち上がり寸法、柱や土台の品種、寸法、シロアリ対策。
断熱に関する部分 断熱性能の表示から、床下、外壁、屋根の断熱材の厚みなどが書かれています。
付帯設備に関する部分 キッチンやバスユニットなどの設備のメーカー名、品番まで書かれています。

わかりにくい時は、販売担当者に聞きながら確認してみましょう。

お役立ち情報

最終的に購入の可否を判断する前に、過去にその会社が建てた実際の建物や建築工事途中の現場を教えてもらい、状況を確認できれば、ある程度判断材料になります。

できることならすでに実際に住んでいる人に、居住性、不具合のときの対応やアフターメンテナンス対応なども聞くことができれば、とても参考になるでしょう。

  • 購入までの流れ
  • マネープラン
  • 過去物件実績
  • お客様の声

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